夏目星澄は霧島冬真のキスに戸惑ってしまった。
彼女は目を見開き、思わず息が詰まりそうなほど抱きしめてくる男性を押しのけようとした。
霧島冬真は彼女が自分を押しのけようとするのを感じ、むしろキスを深めた。
夏目星澄は腹立たしく、ここは撮影現場なのに。スタッフは全員帰ったとはいえ、もし誰かが戻ってきて二人のこんな姿を見たらどうするの!
彼女はもがいて、「んん...霧島冬真、離して!」
霧島冬真は掠れた声で言った。「星澄、僕を拒まないで。そうしないと離さないよ。」
夏目星澄は本当に怒り出した。今がどこだか分かってるの?そんな無理な要求をして!
しかし霧島冬真は執拗に彼女の唇にキスを続け、彼女の反応を待っていた。まるで、応えなければ離さないと言わんばかりに。
夏目星澄には霧島冬真が何を考えているのか分からなかった。なぜこんなことをするのか。