ボディーガードたちは順番に部屋を出て行った。
ドアがバタンと閉まり、小山千恵子は雷に打たれたような衝撃を受けた。
体の中に奇妙な熱が再び湧き上がってきた。
大野社長の短く太い油ぎった手が彼女の襟を引き裂き、にやりと笑った。
「感じてきたか?」
小山千恵子は顔面蒼白で、全力で抵抗しようとしたが、まるで痒みを掻くような力しか出なかった。
「助けて……」
彼女は力が入らず、テーブルの上のグラスに目を向けた。
ここで辱めを受けるくらいなら、死んでやる方がましだ。
シシさんは小山千恵子が去っていくのを見ながら、右まぶたが止めどなく痙攣していた。
一人きりの女性が大和帝国にいるのは、狙われる可能性が非常に高い。
個室に連れ込まれて、その場で犯されて、荒野に遺棄されたら、探すことすらできない。