第25章 浅野若様は女を気にかけているのか?

ボディーガードたちは順番に部屋を出て行った。

ドアがバタンと閉まり、小山千恵子は雷に打たれたような衝撃を受けた。

体の中に奇妙な熱が再び湧き上がってきた。

大野社長の短く太い油ぎった手が彼女の襟を引き裂き、にやりと笑った。

「感じてきたか?」

小山千恵子は顔面蒼白で、全力で抵抗しようとしたが、まるで痒みを掻くような力しか出なかった。

「助けて……」

彼女は力が入らず、テーブルの上のグラスに目を向けた。

ここで辱めを受けるくらいなら、死んでやる方がましだ。

シシさんは小山千恵子が去っていくのを見ながら、右まぶたが止めどなく痙攣していた。

一人きりの女性が大和帝国にいるのは、狙われる可能性が非常に高い。

個室に連れ込まれて、その場で犯されて、荒野に遺棄されたら、探すことすらできない。