第142章 因縁の終焉を見届ける

千葉隆弘はスーツの上着を着る暇もなく、顎にはまだ青々とした髭を生やしたまま、慌ただしく面会エリアに現れた。

福田始は保温ボックスの中の抽出物を持って、そこで彼を待っていた。

「福田博士?」

千葉隆弘は小声で声をかけ、まるで信じられないといった様子だった。

藤原晴子は確かに午後に研究所へ行ったが、まさかこんなに早く解決できたのか?

福田始は頷き、挨拶もそこそこに千葉隆弘の手にある報告書を見つけると、単刀直入に言った。

「状況は把握しています。報告書を見せてください。」

千葉隆弘も呆然として、ぼんやりと報告書を差し出し、二人は応接エリアにその場で座り、お茶も出ないまま診察の話し合いを始めた。

福田始は眉をしかめた。「患者の状態はかなり悪く、この複合薬剤に耐えられません。早急な調整が必要です。」