第161章 このままでは死んでしまう

小坊主はその様子を見て大変驚き、急いで後を追った。

優子は素直な子供だったが、遊び好きすぎて、寺に来てからは誰も手に負えなかった。

まさかこの小さな腕白が、浅野さんに手を引かれて素直に部屋に戻るとは。

浅野武樹は小さな肉団子のような優子を部屋の入り口まで連れて行き、手を離して立ち去ろうとした。

しかし、ぽっちゃりした小さな手が彼の指をしっかりと掴み、無言で対峙していた。

浅野武樹は眉をひそめ、疑問を帯びた目で彼を見下ろした。

彼は子供の扱いが苦手で、この小僧に付きまとわれたくなかった。

しかも、ここ数日は睡眠不足で疲れており、今も頭がズキズキと痛み、こめかみが脈打っていた。

頭痛が激しくなる前に、すぐに休むのが賢明だった。

小坊主は優子の小さな手を取った。「もういいよ、おじさんは休まないといけないし、君も休む時間だよ。」