第217章 浅野社長、賭をしましょう

浅野武樹は、腕の中で小山千恵子の小さな体が震えているのを感じた。

隠しきれない反応が、浅野武樹の長年の推測を裏付けていた。

小山千恵子は、やはりあの爆発事件に関係していたのだ。

目覚めた後、浅野遥に尋ねたことがあった。浅野遥は意味ありげに、誰かが浅野武樹を狙って仕掛けたと言い、それ以上は何も語らなかった。

当時の浅野武樹は頭が混沌としており、体も弱っていたため、それ以上追及しなかった。

しかし小山千恵子が戻ってきてから、かつての出来事が覆され、忘れていた過去の調査を再開することになった。

当時の警察署に調べに行くと、事件資料の中に小山千恵子の供述調書があることが分かった。

浅野武樹はあらゆる手を尽くしたが、その供述調書を閲覧することはできなかった。

しかし、その供述調書に何が記されていようと、小山千恵子の存在は少なくとも、彼女があの爆発事件に関係していることを証明していた。