晩餐会の日が近づいてきた中、浅野グループ社長室はまだ忙しい状態が続いていた。
金曜日の午後になり、多くの参加者たちは服装やメイクの準備を始めていた。
高級な晩餐会なので、参加できる機会は滅多にない。
さらに、帝都の有名人たちが出席するので、数言葉を交わすだけで大物と知り合いになれるかもしれない。
藤原晴子は小山千恵子が手が回らないことを知り、会社のアーティストスタイリストチームを連れてきて支援し、オフィス内の雰囲気が徐々に賑やかになってきた。
小山千恵子だけは、後ろ髪をペンで束ねて、まだ布地工場と最終確認を行っていた。
藤原晴子はドレスの箱を持って慌ただしく入ってきて、小山千恵子を見た瞬間目の前が真っ暗になった。
「もう、あなたまだここで仕事してるの?これから会場の設営に行かなきゃいけないの、忘れたの?」