第290章 あなたは昔、私にひどかった

小山千恵子は反射的に携帯を取り出し、トップニュースを開いた。

昨夜の浅野武樹の精神状態が良くないという話題が再び上位にランクインしていた。

しかし、パパラッチや記者たちがここで張り込んでいる理由は、別にあるようだった。

昨夜の話題を報じた記者が、再び長文を投稿していた。主に浅野武樹と小山千恵子の不適切な関係について述べられていた。

小山千恵子は冷笑を浮かべながら、それらの写真を軽く見た。基本的に桜井美月の仕業だった。

浅野武樹は電話を切って戻ってきた時、小山千恵子の画面の内容を見て、表情が厳しくなった。

「彼女がまだこんな小細工を使うとは思わなかった」

小山千恵子は浅野武樹を一瞥し、冷ややかな声で皮肉を込めて言った。「桜井美月?彼女にはそれしかできないでしょう」