第20章・真実

女友達たちが早く話すように騒ぎ立てると、その女の子は十分に引っ張った後でゆっくりと話し始めた。「私の彼氏の若葉いわおは山田坊ちゃまと一緒に働いているの。3年前、山田坊ちゃまが事故に遭った時、あの女の子が助けたんだけど、山田坊ちゃまが意識を失っている間に、山田坊ちゃまのおばあさまが残した金の腕輪を盗んだのよ!」

女友達たちは驚きの声を上げ、若葉加奈子も同意できないように首を振った。

「まあ、なんて欲張りなの。山田坊ちゃまを助けたのに、山田家が報いてくれないと思ったの?金の腕輪なんてたかが知れているのに」

「そこが分からないのよ。貧乏人は生まれた時から貧乏で、目先のことしか考えられないの。高価なものを見ると手放せなくなるのよ」その女の子は得意げに言った。「この貧乏性は治らないわ。あの貧相な雰囲気なんて、十里先からでも分かるわよ」

望月あかりは全身が凍りつくような思いだった。山田進が腕輪のことを気にしていたなんて。でも、なぜ彼女に聞かなかったのだろう?

女友達の一人が信じられないと言って疑問を投げかけた。「その話、信じられないわ。それなのにどうして付き合えたの?しかも3年も」

望月あかりの心は高鳴った。山田進が腕輪一つで彼女を誤解するはずがない。3年間の愛情が、一つの腕輪で崩れるはずがない。

「若葉いわおが言うには、最初山田坊ちゃまは金の腕輪を取り戻すためだけに彼女を探したんだけど、田舎者の女の手口が巧みで、山田坊ちゃまを魅了してしまったの。そうしているうちに二人は付き合うようになったわ」

みんなは望月あかりの手腕に感心せざるを得なかった。

「でも残念なことに、山田坊ちゃまはバカじゃないの。あの田舎者が金目当てだと分かって、わざと貧乏な振りをして養わせたの。結局、あの田舎者は一銭も得られずに、山田坊ちゃまに弄ばれただけ...」