望月あかりと連絡が取れなくなった。
山田進は望月あかりと連絡が取れず、古い携帯を充電して電源を入れると、あかりからの百通以上の不在着信とメッセージが入っていた。
山田進が折り返し電話をかけたが、あかりは出なかった。
芸大に彼女を探しに行ったが、数日間授業に姿を見せず、寮にも出入りする様子がなかった。
山田進はあかりのルームメイトと正式に会ったことがなく、以前遠くから一度見かけただけで、何千人もの女子学生の中から彼女たちを見分けることはできなかった。
寮の入り口で数日間待ち、何人もの学生に尋ねてようやく、あかりのルームメイトたちを見つけることができた。
三人の女子学生が楽しそうに談笑しながら食堂に向かおうとしていたが、彼を見ると足を止め、警戒心に満ちた表情を浮かべた。
「何の用?」比較的大胆な若葉らんが尋ねた。彼女たちは皆山田進のことを知っていた。この前の日も若葉加奈子を迎えに来ているのを見かけていたが、わざと知らないふりをした。
「あの...同級生の望月あかりが最近何をしているか聞きたいんですが」山田進は口を開いた。本当はあかりの居場所を聞きたかったが、彼女と連絡が取れないことを知られたくなかったし、ルームメイトたちに二人の間に問題があると誤解されたくなかった。
葉月しずくは思わず「プッ」と笑い出し、からかうように言った。「あらまぁ、これは言えないわね。若葉加奈子の彼氏が私たちのあかりのことを気にかけているなんて、噂が広まったらあかりの評判が台無しよ。あの子どうやって生きていけばいいの?」
他の二人も一歩後ずさりした。山田進は何度か若葉加奈子を迎えに来ており、加えて加奈子が多くのクラスメートにフランスから買ってきた牛乳飴を配り、山田進との恋人関係を隠そうともしなかったため、二人が付き合っているという噂は学部中に広まっていた。
かわいそうなあかり。三年間付き合っていたのに、たった半月で相手の名が轟いてしまい、若葉加奈子によって「元カノ」として扱われ、名前すら呼ばれる価値がないかのように。
これらのことをあかりはまだ知らないだろう。彼女たちは告げる勇気がなかった。
「私と若葉加奈子の間には何もありません。私の彼女はあかりだけです」山田進は眉をひそめて説明した。