第15章・責める

午前一時に警察署から出てきたが、診療所はどこも開いていなかった。

幸い表面的な傷は軽かったので、望月あかりは水を借りてティッシュで顔の血を拭き取り、望月紀夫を支えて家に帰った。

病院はここから遠すぎるので、一晩家で過ごして、明日また望月紀夫を病院に連れて行くことにした。

玄関に入った瞬間、望月あかりは心の中で言った:「お父さん、ただいま」

……

「姉さん?」望月紀夫は彼女が呆然としているのを見て、不安そうに言った。「僕、勝手に出てきたわけじゃないんだ。おばさんが姉さんを殴ったって聞いて、心配で」

望月あかりは首を振り、トイレに入って顔を洗い、髪の毛の傷口にアルコール消毒を施し、ついでにお湯を入れた洗面器を持ってきて望月紀夫の足湯を用意した。

彼の無事な方の足は泥だらけで、聞くまでもなく、松葉杖をついて一歩一歩警察署まで跳んできたのだろう。