第40章・宴会

飴一つでは何の証明にもならないと、望月あかりは分かっていた。

今、彼女はリビングにいて、周りには山田進が持ち帰ったプレゼントが山積みになっており、その中には様々な種類の飴が大量に入った袋もあった。

山田進が寝室でシャワーを浴びている間、望月あかりは彼の荷物を整理し、プレゼントを一つ一つ見ていた。

ミルク飴だけでなく、様々な種類の飴があり、味も多種多様で、そのミルク飴は目立たないほどだった。

望月あかりは包装紙を開け、飴の包み紙の製造日付が若葉加奈子のものと全く同じだった。

明らかに、この飴は今回買ってきたものではなく、若葉加奈子の飴は確かに山田進が彼女と「連絡が途絶えていた」期間中にフランスへ出張した際に若葉加奈子に持ち帰り、彼女に主権を宣言させるために渡した飴だったのだ。

望月あかりはミルク飴を一つ一つ選り分けながら、馬鹿らしさを感じていった。山田進の大恩大徳に感謝しなければならないね、彼女の分まで取っておいてくれたのだから。

山田進は体を洗い、シャツに着替えて出てきた。髪からは水が滴り、望月あかりが飴を見つめているのを見て、思わず緊張した。

この飴は山田ゆうが指定して買わせたものだった。あの時期、彼は意図的に望月あかりを無視し、自分を強制的に若葉加奈子と接触させていた。

飴を買って帰った時、若葉加奈子がちょうどその場にいて、面子を保つために彼女にも少し渡した。

望月あかりのこの分は、彼が特別に取っておいたもので、その後出張がなく、彼女に渡す理由を見つける機会がなかった。

彼はあの期間、若葉加奈子だけでなく、他の女性とも接触していたことを言う勇気がなかった。

普通の家庭の女の子と出かける度に、彼女たちが欲しがるものは全て、無意識のうちに望月あかりの分も別に取っておいた。

そしてそれこそが、山田進が望月あかりに対して感じている罪悪感を自覚させ、徐々に彼が望月あかりに与えられるものは全て与えたいと気付かせた。

他の女の子が欲しがったものは、望月あかりが口に出さなくても、全て彼女にあげたかった。

このリビングにある多くのものは、実はあの期間に彼が望月あかりのために買って帰ったプレゼントだった。今それらを全て混ぜ合わせて展示し、望月あかりに好きなものを選ばせる。