第17章、新しい恋

林元紀の画室は朝8時から夜10時まで授業があり、望月あかりは学生で、寮には門限があるため、夜6時半から10時までの授業は受けられず、6時までの授業を受けて帰宅することになっていた。

夏服は毎日着替える必要があり、望月あかりは汗かきな体質で、寮にある2着の服では足りないため、山田進に電話をかけ、借りている古いアパートから服を取りに行きたいと思った。

相手は電話に出ず、電源が切れているとの表示だった。

バスで古いアパートへ向かい、ドアを開けた瞬間、埃っぽい匂いが押し寄せてきたが、望月あかりは気にせず、そのまま寝室に向かい、自分の服を片付け始めた。

彼女はここで寝泊まりすることは少なく、服や持ち物も多くなかったため、中サイズのスーパーの買い物袋一つで全て収まった。

片付けを終えた望月あかりは、帰ろうとした。