林元紀の画室は朝8時から夜10時まで授業があり、望月あかりは学生で、寮には門限があるため、夜6時半から10時までの授業は受けられず、6時までの授業を受けて帰宅することになっていた。
夏服は毎日着替える必要があり、望月あかりは汗かきな体質で、寮にある2着の服では足りないため、山田進に電話をかけ、借りている古いアパートから服を取りに行きたいと思った。
相手は電話に出ず、電源が切れているとの表示だった。
バスで古いアパートへ向かい、ドアを開けた瞬間、埃っぽい匂いが押し寄せてきたが、望月あかりは気にせず、そのまま寝室に向かい、自分の服を片付け始めた。
彼女はここで寝泊まりすることは少なく、服や持ち物も多くなかったため、中サイズのスーパーの買い物袋一つで全て収まった。
片付けを終えた望月あかりは、帰ろうとした。