「お母さん、ごめんなさい。」
山田進は山田おかあさんの前に跪き、懇願した。「おばあちゃんの腕輪を失くしたのは私です。私を責めてください。望月あかりを責めないでください。彼女は当時、両親を亡くし、多額の借金を抱えていて、やむを得なかったんです。」
「お母さん、おばあちゃんの形見は大切だけど、お姉さんは兄の命を救ってくれたんだから、相殺でいいんじゃない?」山田ゆうは突然顔を上げ、母に望月あかりを責めないよう頼み、母の腕にすがりついた。
「それに、この数年間、兄と一緒にいて、兄に良い影響を与えてきたでしょう?お母さんもよく、兄が会社で落ち着いて仕事をするようになったって言ってたじゃない?それは全部お姉さんと一緒にいる時の影響よ。彼女はきっとお金目当ての人じゃないわ。そうじゃなきゃ、うちの'貧乏'な兄とこんなに長く付き合えないでしょう?」