第27章・仲直り

昼頃、山田進は望月あかりに電話をかけ、一緒に食事に行こうと誘ったが、あかりは電話に出なかった。

山田進は外せなかったため、家政婦にアトリエまで昼食を届けてもらった。

望月あかりはアトリエにいなかった。山田進がまた来るだろうと予想し、林元紀に許可を得て学校に戻り、食堂でまんじゅうを二つ買って寮に持ち帰った。

寮には誰もいなかった。他の三人はまた外食に行ったようだ。

二口ほど食べたところで、三人が戻ってきた。若葉らんは使い捨ての弁当箱を望月あかりの机に置き、あかりが断ろうとすると、葉月しずくは高慢に言った。「今日の残り物よ。可哀想だから食べなさい」

田中かなたは小声で言った。「彼女の言うことを気にしないで。注文し過ぎちゃって、ほとんど手をつけてないから、全部きれいよ」