翌朝、望月あかりは森結衣から電話を受け、今日一緒にエステに行って、夜は山田家での食事に付き添うと熱心に誘われた。
山田進と望月あかりは昨日、山田家で両親に会う約束をしていたが、二人とも帰りが遅くなったため、今日に変更した。
森結衣がどうやって今日のことを知ったかは別として、このような私事にまで首を突っ込もうとする厚かましさに、望月あかりは感心した。
義理の両親に会いに行くのに、彼女に何の関係があるのか?たとえ関係があったとしても、彼女の出る幕ではない。
望月あかりは長らく新しい服を買っていなかったが、今日初めて山田進の両親に会うので、見栄えのために良い服を2着買う必要があった。
自分の目は平凡だと思い、特別に葉月しずくにアドバイスを求めた。
朝、望月あかりの寮の仲間全員でショッピングモールへ買い物に出かけた。
望月あかりはバーでのアルバイト代と歩合給を持っていた。バーのオーナーは山田進たちの消費をすべて彼女の担当分として計算し、そのため18パーセントの歩合給をもらっていた。これは、あの...プロよりも2パーセント高かった。
最初はこの収入の出所がよくわからなかったが、その後、山田進の友人が来るたびに追加の収入があり、望月あかりもその仕組みを理解するようになった。
望月あかりが夜に山田家に行くことを知り、葉月しずく三人は高級ショッピングモールに行くことに同意した。数階を回るうちに、望月あかりは積極的に服を買う立場から、受動的に試着する立場へと変わっていった。
「両親に会うのはデートとは違うから、もちろんおとなしめな服装がいいわ。山田進のような家庭なら、望月あかりのことはすでに細かく調べているはず。お金に困っているわけでもないから、一着の服で見栄を張る必要なんてないの。派手すぎると、かえって誠意が感じられないわ」葉月しずくは全員の意見を却下し、爪の埃を払いながら、望月あかりのためにカジュアルなワンピースを数着選び、その後、化粧品売り場のある下の階へ連れて行った。
若葉らんと田中かなたもそれが正しいと思い、一緒についていった。
望月あかりはこのブランドと不思議な縁があり、カウンターの店員は熱心に新商品を紹介してくれた。