修正後:第43章・冷静

山田進は一晩中帰ってこなかった。望月あかりは何度も電話をかけたが、山田進は出なかった。

朝の8時、望月あかりは山田進が帰ってこないことを悟り、待つのを諦めた。チャイナドレスの写真を数枚撮って、その場を離れた。

9時にショッピングモールが開店した。このドレスは台無しになってしまったので、山田ゆうに返すために同じものを探さなければならなかった。

横浜市は広い。街中のどこかに、必ず解決策があるはずだった。

しかし、望月あかりは山田ゆうが言う「職人」の技を過小評価していた。既製品店のチャイナドレスは華やかではあったが、似たようなデザインはあっても、山田ゆうが見つけたドレスの気品には及ばなかった。

唯一見つけた職人も、頭を振って手に負えないと言った。シルクの糸が長すぎて、修復は不可能だと。