修正後:第76章・救助

彼の服装から、結婚式から急いで来たことが分かった。望月あかりは手を伸ばし、長時間の静座で固くなった腕を動かし、山田進のネクタイを整えた。

この暗色のネクタイには、交差したストライプが入っていた。

そのストライプに沿って、二つのアルファベットが浮かび上がる。

MX、望月あかり。

この瞬間、望月あかりは崩壊した。

ネクタイを強く握りしめ、山田進の肩に伏せて泣き崩れ、この二日間の辛さを全て吐き出した。

「みんなが望月紀夫は人殺しだって言うの!でも彼は人を殺すはずがない!金田警部に会いに行ったけど、証拠は確実だって言われて、紀夫の指導教官にも会いに行って、ずっと玄関で待ったのに、会ってくれなかった……警察署にも行けなくて、警備員が私を監視して、玄関にも近づけさせてくれなくて……」