第75章・冤罪

警察署を出ると、外の世界はまだ美しかった。

誰もが礼儀正しく、「ありがとう」を連発していた。

望月あかりは目的もなく、どこに行くべきかも分からないまま歩いていた。

金田警部は、望月紀夫が人を殺すとは信じられないと言い、おそらく叔父との口論の際に、力加減を誤って誤って殺してしまったのだろうと。

彼女は交差点のバス停で人々の往来を眺めながら座っていた。携帯は鳴りっぱなしで、若葉らんと田中かなたが心配して、前向きに考えるように、必ず望月紀夫の潔白を証明する方法があると励ましてくれた。

葉月しずくは父親に状況を確認すると言い、山田ゆうと鈴木明子は望月あかりの弟が人を殺すはずがないと信じていると言った。鈴木明子は父親に電話して、望月紀夫が中で辛い思いをしないよう助けを求めると約束した。