第45章 チャイナドレス

翌日は、山田進の母の誕生日だった。

失踪していた山田進は望月あかりに電話をかけ、山田ゆうの件は解決したと伝え、仕事が終わったら迎えに来て一緒に帰って食事をし、母の誕生日を祝うから、きれいに着飾ってほしいと言った。

望月あかりは承諾も拒否もしなかった。たった数日で、まるで何事もなかったかのように彼女の前に現れ、失踪もなく、「気持ち悪い」と言われたこともなかったかのように振る舞っていた。

山田お母さんの誕生日は夜だったが、クラスメートたちは昼までに作業を終え、望月あかりは一人一人にお礼を言って、チャイナドレスを持って帰った。

望月あかりは林元紀に送ってもらい、ショッピングモールに寄った。

夏休みだったため、カップルが多く、モールは綺麗に飾り付けられていた。

カップルが行き交い、最上階の映画館では新作映画のポスターが貼られ、美しくロマンチックなラブストーリーだった。