新しいホテルは市内中心部にあり、工事は大規模だった。
部屋のスタイルはそれぞれ異なり、ホテル内の装飾画は藤原信のグループが担当し、望月あかりは屋上の大型駐車場のスパイラル道路の壁画を担当することになった。
「これらの壁には、視覚的に爽やかな風景画を描いて、装飾性を強調してください。全部で10枚あり、1枚3000元です。学生さんなので保証金は取りません。材料費は先に自己負担で購入し、領収書を持ってきてもらえば経理部で精算します。」
林元紀の保証があり、責任者と望月あかりはこの工事の契約を結んだ。
価格に問題を感じなかった望月あかりは作業を開始する準備を始めた。巨大な壁画には足場を組んで描く必要があり、望月紀夫は望月あかりの作業を手伝った。
望月あかりは昼間は絵を描き、夜はスケッチを描き、望月紀夫は後方支援を担当した。
藤原信は望月あかりを「金稼ぎ大作戦」というグループに招待した。メンバーの大半は以前彼女を助けてくれた人々だった。
望月紀夫は気が利き、望月あかりが忙しくない時には、ホテルに行って藤原信たちにランチやおやつを届けた。そのため、グループのリーダーである藤原信から高く評価され、その後望月紀夫はこのグループの専属供給係となった。
もちろん、報酬は誰かが先に仕事を終えたら、望月あかりの絵を手伝うことだった。
みんな芸大の学生で、専門性は申し分なく、望月あかりはこの仕事を楽々とこなした。
昼は暑すぎて、望月あかりと藤原信は足場に並んで座り、背後には森の日の出を描いた作品が完成したばかりだった。
藤原信は冷たい飲み物を一口飲んで、唇を鳴らしながら感慨深げに言った:「もし将来あなたが有名な画家になったら、インタビューで僕の名前も出してくれよ。俺も歴史に名を残したいからさ。」
望月あかりは笑って言った:「そんな簡単じゃないわ。生活するのも大変なのに、歴史に名を残すなんて。」
「望月あかり、お金持ちの彼氏がいるって聞いたけど、本当?」藤原信は尋ねた。あのチャイナドレスは安くなかったはずで、望月あかりの将来の義家は相当な実力があるに違いないと思った。
望月あかりは首を振って:「別れたわ。」