電話で釈放の知らせを受けた瞬間、望月あかりの心の重荷が下り、全身の力が抜けて携帯電話も握れなくなった。
山田進は素早く彼女を支え、イーゼルに倒れるのを防いだ。
「紀夫が出てくる、大丈夫よ、大丈夫」あかりは繰り返し呟きながら、何とか体を支えて寝室へ向かった。山田進が後を追うと、彼女は服を着替え始めていた。
紀夫を迎えに行かなければならない。外出着に着替えて出てくると、山田進は既に車のキーを持って長い間玄関で待っていた。
二人は一緒に出かけ、山田進はまずショッピングモールに寄った。あかりを車で待たせ、十分もしないうちに一つの袋を持って戻ってきた。
あかりは不思議に思ったが、何も聞かなかった。
警察署に着くと、あかりは紀夫の釈放手続きのために署名をしに行き、山田進は袋を紀夫に渡して古い服を着替えさせた。