第88章 お礼

この私的なパーティーには、年配の方々だけが出席していた。

家政婦さんは今日休みで、山田おかあさんが自ら台所に立って多くの料理を作った。山田進と望月あかりは食材を買って帰り、望月あかりは山田おかあさんの指示で台所の手伝いをし、山田進は外で年配の方々と話をしていた。

「ゆうゆうは今日鈴木明子と食事に行っているから、あなたは後で食事の席に着くときは、年配の方々の前で気を配って、言葉遣いは丁寧にしなさいよ」山田おかあさんは手伝いを装いながら、実は注意を促していた。

この嫁はあまりにも素直すぎて、お世辞一つ言えない。少し助言しておかないと心配だった。

望月あかりは頷いた。「はい、おかあさん、分かりました」

山田おかあさんは手を止め、望月あかりの木訥さに少し不満そうだった。