食事を終えると、山田進は立ち上がって父親の皿を片付け、望月あかりも片付けを済ませ、三人一緒に外に出た。
山田お父さんは自分のオフィスに戻り、エレベーターを出る時に望月あかりに言った。「今晚は進と一緒に家で食事をしなさい。鈴木おじさんが今日部隊から戻ってくるし、木村おじさんも来る。この前お願いしたことのお礼に、食事でもてなさないとね。」
「はい、おじさん。」
二人がオフィスに戻ると、山田進は説明した。「望月紀夫の件は鈴木おじさんがニュース部と話をつけて、君たち兄妹の個人情報を守ってくれた。木村おじさんは木村平助のお父さんだよ。」
これほど話題になったニュースなのに、メディアが望月紀夫の個人情報を暴露しなかったのは、上層部からの指示があったからだ。そうでなければ、自媒体はとっくに情報を流出させ、望月紀夫の名誉は取り返しのつかない傷を負っていただろう。