午後、空港で山田進を見送った後、成田まことは望月あかりを学校に送った。彼女はこの数日間、研究計画の発表準備をしなければならず、藤原信のスタジオも見に行く時間を作らなければならなかった。
夜、寮に戻ると、葉月しずくが寮にいて、珍しく田中かなたも寮にいた。彼女は宮崎翔陽と付き合い始めてから、外で借りていた部屋を解約し、二人で一緒に住んでいた。
なぜ今日は寮に泊まるの?
葉月しずくは机に伏せて本を読んでいて、田中かなたは望月あかりに向かって少し気まずそうに笑った。
望月あかりは手に持っていた煮物を真ん中のテーブルに置いて、言った:「夕飯食べた?夜食持ってきたわ。うちのおばさんが作った煮物、すごく美味しいの。」
幸い、たくさん持ってきたから、足りなくて気まずい思いをせずに済んだ。