第84章 恥をかく

翌日、山田ゆうは夜明け前に学校へ行かなければならず、山田進は早起きして彼女を送り、望月あかりと望月紀夫の兄妹だけが朝食を食べていた。

望月紀夫は静かに食事をしていた。お手伝いさんが作った海鮮粥は特においしかった。

望月あかりはしばらく考えてから、お手伝いさんに目配せして席を外してもらい、やっと望月紀夫に尋ねた。

「義兄さんから婚約の話は聞いた?」昨日の山田進の話から、望月あかりは望月紀夫が山田進に尋ねたはずだと推測した。

案の定、望月紀夫は頷いた。

望月あかりは詳しい説明はせずに注意を促した。「これから義兄さんに学校まで送ってもらうけど、もう一家の人なんだから、そんなに遠慮することないわ。何かもらったら素直に受け取って、何か困ったことがあったら義兄さんに相談してね」