適当に昼食を済ませた望月あかりは、またベッドに横たわってしばらくぼんやりしていると、昨日の記憶が徐々に戻ってきた。
山田おかあさんが昨日話してくれた話を思い出し、あかりは携帯を手に取って山田進のウェイボーを見た。長い物語が一つの長文投稿になっていた。
全体的に山田おかあさんの話と大差なかったが、最後にあかりのことも加えられていた。
「私の不注意で腕輪を失くしてしまったと思い込み、妻の真心を傷つけてしまった。今になってようやく、これまでの出来事を経て分かったことがある。運命の導きで、腕輪は彼女を私の世界へと導いてくれたのだと。これまでの過ちを償う余生をくれることに感謝します。」
添付された画像は可愛らしい羊で、涙目の大きな瞳で、口には「お肉をください」と書かれた紙をくわえていた。
草食動物なのに、肉を求めている。
この絵は以前、山田進が彼女から習った絵だった。あの時、山田進は「借りを返す」と言い、二人分の生活費を彼女が管理していた。ある日、山田進は毎日学食を食べることに不満を漏らし、味気ないと言って、この絵を描いてあかりの管理が厳しすぎることに抗議し、肉を食べさせてくれと懇願した。
彼女は歯を食いしばって彼と火鍋を食べに行き、彼女のウェイボーの名前もそこから来ている。
下のコメントは様々だったが、あかりは見る気にならず、退出してから検索トレンドに載っている永陽のニュースに気付いた。
大きな変動と言えるもので、特に若葉いわおと森結衣は、夫婦揃って逮捕された。
現在の情報によると、若葉いわおの事件はより深刻で、経済犯罪は他とは違う。前科がつけば一生信用を失い、まともな仕事には就けない。
つまり、人生の道が絶たれたようなものだ。
一方、森結衣の恐喝については、あかりにはよく分からないし、理解したいとも思わなかった。
芸能ニュースサイトは森はるかの「独立」イメージを暴き立て、永陽のバックアップを失い、出演した全ての作品から投資が引き上げられ、制作側は大きな損失を被った。
この数日間、ネット上は騒然としていた。彼女は知っていることを黙っているだけでなく、熱狂的なファンを扇動してあかりをネットいじめし、あかりの個人情報を暴こうとまでした。今では彼女と特定の人物との不適切な関係も暴露され、契約していた各ブランドは風向きを察知して次々と契約を解除した。