山田ゆうが下に降りていくと、山田お父さんはようやくほっと息をついた。
「これで安心したでしょう?」山田おかあさんは笑って言った。「お嫁さんはそれほど悪い人じゃないわ。人の面子を立てる分かっているもの」
「本当に心配だよ。あいつが望月あかりの恨みを言う資格なんてないさ。見ただろう?先祖の代まで恨みを持ち続けているじゃないか」今思い出しても山田お父さんは腹が立った。この数日間、若葉いわおと森結衣の件について多くの人から聞かれ、面目を失っていた。
あの斉藤玲人め、よくも息子の弱みを堂々と暴露できたものだ。木村さんとじっくり話し合わなければならない。
「男なら、気に入らないなら二人を追い出せばいいだけの話だ。こっちでは奥さんを困らせ、あっちでは人を陥れる大きな罠を仕掛ける。この陰険な性格は一体誰に似たんだ?」彼と山田おかあさんは長年苦労してきたが、こんなことは一度もしなかった。それなのに山田進は全部やってのけた。