第157章 将軍

山田ゆうが下に降りていくと、山田お父さんはようやくほっと息をついた。

「これで安心したでしょう?」山田おかあさんは笑って言った。「お嫁さんはそれほど悪い人じゃないわ。人の面子を立てる分かっているもの」

「本当に心配だよ。あいつが望月あかりの恨みを言う資格なんてないさ。見ただろう?先祖の代まで恨みを持ち続けているじゃないか」今思い出しても山田お父さんは腹が立った。この数日間、若葉いわおと森結衣の件について多くの人から聞かれ、面目を失っていた。

あの斉藤玲人め、よくも息子の弱みを堂々と暴露できたものだ。木村さんとじっくり話し合わなければならない。

「男なら、気に入らないなら二人を追い出せばいいだけの話だ。こっちでは奥さんを困らせ、あっちでは人を陥れる大きな罠を仕掛ける。この陰険な性格は一体誰に似たんだ?」彼と山田おかあさんは長年苦労してきたが、こんなことは一度もしなかった。それなのに山田進は全部やってのけた。

「誰に似たかは重要じゃないわ。大事なのは、彼を制御できる人がいるってことよ」山田おかあさんは慰めながら、山田お父さんに人参茶を差し出して言った。「最初は私も驚いたけど、子供は間違いを犯すものよ。奥さんが面倒を見てくれるから大丈夫」

「ふん!それは私が多くの善行を積んだおかげで、その福が彼に及んでいるんだ。もし望月あかりも扱いにくい人間だったら、私たちが生きているうちに家業を潰してしまうだろうな」山田お父さんは思い出すだけで腹が立った。この数日間、この息子のせいで面目を失っていた。

山田お父さんは山田おかあさんに注意を促した。「望月あかりによく言い聞かせてくれ。あの娘は山田進より分別があるから。今後このような人を陥れる事は二度と起こしてはいけない。この数日間、古い友人たちに聞かれても、私は顔向けできなかった。あいつのせいで私の面目は丸つぶれだ」

今晚の食卓で、望月あかりは周りの様子をよく観察し、彼と山田おかあさんの意図を察していた。それはこの子が物事をよく理解し、自制できることを示している。

「分かっているわ」山田おかあさんは笑って答えた。