第131章 完勝

二人が料理をテーブルに運び、今日は大晦日で一緒に鍋を食べることになっていた。

テレビでは春節晩会が放送されており、山田進は特別に良い酒を持ってきて望月紀夫と一杯飲もうとしていた。

望月紀夫は一学期の経験を経て、多くの少年らしい幼さから脱却し、男らしく成熟していた。

二人は酒を飲み、望月あかりはジュースを飲んでいた。

山田進は望月紀夫に学校のことを尋ね、望月紀夫が答える。望月あかりは静かに二人のために肉を煮ていた。食事が半分ほど進んだところで、山田ゆうが訪ねてきた。

「お兄ちゃん!お姉ちゃん!紀夫くん!」山田ゆうは勢いよく走ってきて、望月あかりに言われる前に自分で服を着替え、靴を脱いで、キッチンへ行って食器を持ってきて食事を始めた。

「なんで家にいないの?」山田進が尋ねた。

「パパとママが実家に帰ったの。今年は若い世代は実家に帰らないって言われて、私一人暇だったから、お兄ちゃんのところに来たの」山田ゆうは箸で肉を取りながら、望月あかりの料理の腕前の良さに感心していた。

今年は本来、望月あかりと山田進が山田お父さんと山田おかあさんと一緒に団らん の食事をする予定だったが、望月紀夫の行き場がないため、お父さんは兄と姉に大晦日を別々に過ごすように言い、両親が実家から戻ってから、また家族で集まることにした。

食事が終わると、山田ゆうは山田進にお年玉をねだり、山田進は皿洗いをしながら、両手を上げて一言。

「お嫂さんに聞いてみな」

山田ゆうは望月あかりのところへ行き、望月あかりは仕方なく部屋に戻ってお年玉を取りに行った。

山田家では山田ゆうは絶対的なお姫様だったので、望月あかりは山田ゆうが山田進にお年玉をねだることを少しも疑わなかった。

いくら渡すのが適当か迷いながら、望月あかりは思い切って、赤い封筒に山田ゆうと望月紀夫一人一万円ずつ入れた。

この金額は、多くても少なくても彼女の限界だった。

山田ゆうは大喜びで、お金を数えながら、山田進は「後のお兄ちゃん」で望月あかりは「本当のお嫂さん」だと口にしていた。

望月紀夫はより従順で、中から一枚取り出し、残りを望月あかりに返して言った:「これは姉さんへのものです。断らないでください」