パラレルBE(11)_2

試験が終わって、望月あかりはようやく荷物を整理する気になり、本を彼女のために特注したベランダの本棚に置いたところ、以前林元紀が彼女に貸してくれた参考書がたくさん出てきた。

望月あかりは整理を終え、この数日のうちに彼に返そうと準備していた。

望月紀夫が事件を起こした時、彼は彼女との関係を断ち切り、アトリエにも彼女を来させなくなったので、これらの物を持っておく必要はなかった。

彼のお母さんも彼女のことを好きではなかったので、林元紀を困らせたくなかった。

ちょうど若葉くんのお母さんが南方から彼女にたくさんの食材を送ってきた。フカヒレ、燕の巣、干し貝柱、アワビなど、ありとあらゆるものがあった。

木村久仁子はそれらを持ち帰り、さらに料理本も一冊付いていた。それは若葉お母さんの長年の経験をまとめたものだという。