パラレルBE(11)

家に帰ると、木村久仁子は望月あかりに横になるように言い、彼女が飲むべき漢方薬を温めてあげた。

薬を飲む望月あかりはとても強靭で、どんなに苦くても表情一つ変えずに飲み、一杯飲み干しても眉一つ動かさなかった。

木村久仁子はこの娘はもう少し養生が必要だと感じた。苦いと文句を言う機会すら利用しないなんて。

「お菓子を買って帰るのを忘れたわ、苦味を消すために。明日私は仕事だから、あなたは出かけて買い物でもして、食べたいものは遠慮せずに。あなたが食べたところで私の家計は傾かないわ」

飲み終わると、木村久仁子は望月あかりに熱いお茶を注ぎ、自分はお風呂に入りに行き、あかりには横になって休むように言った。

ここのベッドは彼女の部屋のものより大きく、マットレスも柔らかかった。木村久仁子の母は二人用の大きな布団を用意してくれていて、望月あかりの部屋のような小さな布団で窮屈な思いをすることはなかった。望月あかりは窓側に寝て、窓の外のランドマークビルが様々な華麗な模様に変化するのを眺めていた。