第20章 忌々しい明轩

話し終わると激しく咳き込み、体全体が弱り果て、少しの元気も出なかった。数日前に庭で太極拳を練習していた姿はどこにもなかった。

鈴木之恵は涙が止まらず、おばあちゃんが庭で転んでから、その後体調が日に日に悪化し、半年後に永遠の別れを迎えたことを思い出した。

この年齢になると、体は想像以上に脆くなる。

あっという間に逝ってしまう。

「お爺さん、もう話さないで、早く休んでください。」

藤田お爺さんはため息をつき、目尻から涙が流れた。

そしてまた激しい咳が始まった。

鈴木之恵は心配で言葉も出なかった。

「お爺さん、もう咳き込まないで、約束します、約束します...」

藤田お爺さんは長い間咳き込んでようやく落ち着き、鈴木之恵の髪を撫でながら、申し訳なさそうな目で見つめた。

「坊や、驚いたでしょう?昨日一晩中付き添って寝てないんじゃないの?早く帰って休みなさい。今日はこのバカ者に任せておきなさい。」

「お爺さん、帰りません。ここでお爺さんに付き添います。」

「言うことを聞きなさい。帰って休みなさい。お爺さんは大丈夫だよ、まだまだ元気だから。

深志、運転手に電話して、お前の嫁を送り返してもらいなさい。」

藤田深志は床に跪いたまま電話をかけ、すぐに運転手が来た。

鈴木之恵は素直に車で屋敷に帰り、お爺さんの夕食時間にアラームをセットして、うとうとと眠りについた。

午後、大野さんが藤田お爺さんの栄養食を作り、運転手が届けに行くところだったが、彼女は家で心配で、一緒に車に乗った。

病室の中で、お爺さんは眠っており、藤田深志はまだベッドの前に跪いていた。上半身はまっすぐで、跪いていても全身から消えることのない誇りを放っていた。

彼は生まれながらにして誇り高かった。

鈴木之恵はしばらくぼんやりと見つめ、保温ポットを持って廊下のベンチに少し座り、中から微かな物音が聞こえた後、窓から中を覗くと、案の定お爺さんが目を覚ましていた。

「お爺さん、目が覚めましたか?お水が欲しいですか?」

藤田お爺さんは首を振って、「お前この子ったら、帰って休むように言ったのにまた来たのか?」

「お爺さん、食べ物を持ってきました。少し目を覚まして、後で何か食べると早く良くなりますよ。」

鈴木之恵は保温ポットを置き、ベッドを動かそうとした。