第40章 秦の小三よ、このダメ男をあげるわ

秋山奈緒が話題をそこに持っていくと、挑発的な意味合いが十分で、目には傲慢な自信が満ちていた。

鈴木之恵は一瞬戸惑い、冷静に答えた。

「私は芸能人に興味がなく、芸能ニュースもあまり見ません。知っている男性芸能人は皆既婚者ですが、秋山先生の彼氏は既婚者ではないでしょうね？」

秋山奈緒の顔色が一瞬で青ざめ、緑色に変わり、また白くなった。周りの人々は彼女の様子がおかしいのを見て、この話題はそこで終わった。

ハイアットホテルに着くと、秋山奈緒は従業員に藤田深志の名前を告げ、従業員は一行を最上階に案内した。

豪華な内装の最上階は数百平米あり、今日は貸し切りで、数十人が集まり、雰囲気は賑やかになっていた。

様々な高級ワイン、カクテル、飲み物、精巧なデザートが豊富に並べられていた。

デザイン部の同僚たちは普段このような高級なパーティーに参加する機会がなく、誕生日も普通のレストランで食事をして、カラオケに行くだけだった。

皆が秋山奈緒にお世辞を言い始め、羨望の眼差しは人の顔を変えてしまうほどだった。

「秋山先生、あなたの彼氏は一体どんな神様なんですか？ハイアットホテルの最上階を貸し切れるなんて、きっと大金持ちでしょう？」

秋山奈緒はグラスを手に取り一口飲んで、自信に満ちた笑顔を浮かべた。

「まあまあですよ。皆さん、ご自由にどうぞ。同じオフィスの同僚なんだから、私が接待する必要はないでしょう？」

この時、秋山奈緒の側にいた山田結城は、鈴木之恵が一人で隅に座ってフルーツを食べているのを見た。皆がお酒を飲んでいるのに、彼女は参加しない。

そんな高飛車な態度を誰に見せているのか？

「新入社員さん、秋山先生に一杯お酒を注ぎに来ないの？あなたは彼女が藤田グループで教えた最初の弟子でしょう。普段からよく面倒を見てもらってるんだから、早く来てお酒を注いで。」

他の人々も同調し始めた。

「そうそう、鈴木之恵は師匠という呼び方だけでも秋山先生に一杯注ぐべきよ。私たち社畜は皆分かってる、入社したばかりで良い人に出会えるのがどれだけ貴重か。私が入社した時に秋山先生のような師匠に指導してもらえていたら、今頃はチーフデザイナーになっていたかもしれないわ。」