藤田深志は咳払いをして、
「おじいさん、そんなことはありません。心配しすぎですよ」
「お前は自信過剰すぎるんだ。三十過ぎたらどうなるか見てみろ。その時は之恵に嫌われるどころか、自分自身が自分を嫌うことになるぞ」
藤田深志は額に冷や汗を浮かべた。これは本当に重い話題だった。
「おじいさん、私は定期的に運動をしていますから、ご心配には及びません」
「急いだ方がいいぞ。後で名医でも治せなくなってから私に泣きついても遅いからな。私は警告したからな。今の生活環境や食事は昔とは比べものにならない。科学技術と添加物だらけの食べ物ばかりで、体に影響がないわけがないだろう?」
藤田深志はおじいさんが洗脳しようとしているような気がした。心の中でおじいさんの話を聞き流そうと思いながらも、実際には半信半疑で、半分は信じてしまっていた。