第134章 コンドームを持ってきた?

乗客が次々と到着し、クルーズ船のスタッフは午後ずっと忙しく働いていた。精巧な料理、シーフード、ワインやシャンパン、フルーツやデザートが全て準備され、部屋も整えられていた。

皆は自分の部屋番号を手に興奮しながら乗船し、まずは荷物を運び込もうとしていた。

藤田深志の豪華スイートは最上階にあり、二人の荷物は一つのスーツケースにまとめられ、柏木正が先導して上階へと運んでいった。

藤田深志は巨大な贈り物の箱を持って、鈴木之恵と共に後ろについて行った。

「之恵、荷物を整理する時にコンドームは持ってきた?」

鈴木之恵は胸がドキッとした。この男は昼間からなんを考えているのか?常にそういうことばかり考えて、自分の秘書に笑われることも気にしないのか。

前を歩く柏木正のことを考慮して、小声で答えた。「持ってきてない」