第214章 京都府からの注文

鈴木之恵は二人のアシスタントを雇い、新芽工房が正式にオープンした。

開業当日、鈴木由典は多くの花かごを贈ってきた。妹は控えめに、自分の手で起業したいと言い、彼は心配で手を貸したい気持ちを抑えきれなかったが、彼女の決意を尊重して介入を控え、ただ花かごを贈って賑やかさを添えるだけにした。

彼は鈴木之恵の能力にも期待を寄せていた。

鈴木之恵がオフィスの本を整理している間、アシスタントの木下綾と木村悦子はオフィスエリアで花かごの配置に取り組んでいた。これらの花はすべて鈴木由典から贈られたもので、木下綾は満開の花を一鉢ずつ整然と並べながら、最後の特大の花かごを見つめて呆然としていた。

通常の花かごは1メートルほどの高さだが、最後のものは2メートルもあり、もはや花かごとは呼べず、まるで巨大な花の柱のようだった。花屋で売っているようには見えず、特別注文品のようだった。