第215章 連絡先を聞く

陶山蓮華は緊張した表情を浮かべ、

「うちの深志はずっと独身なんです。どなたかお嬢様を紹介していただけませんか?成功すれば、ジュエリーのことなんて心配いりませんよ」

夫人たちは議論を始め、誰の家に適齢期の娘がいるか話し合った末、結論に至った。

「藤田夫人、藤田くんはどんなタイプがお好みなんですか?知り合いのお嬢様はいますけど、見た目は前の奥様には及びませんね」

皆が溜息をつきながら言った。

「このジュエリーセットは手が出そうにありませんね。私の知っているお嬢様の中で、藤田くんの奥様より美しい方はいません。贅沢な暮らしから質素な生活に移るのは難しいものです。紹介しても藤田くんの目に適わないでしょう!」

「そうですね。ああ、藤田夫人、藤田くんに一言言っていただけませんか?私たちにも一セットずつ予約させていただきたいんです」

その時、陸田夫人が娘の詩子を連れて現れた。彼女の登場は即座に全ての夫人たちの視線を集めた。

陸田夫人は夫人たちの中では若く見える方で、肌が白く手入れが行き届いているため、同年代の人々より若く見えた。

彼女はオーダーメイドのドレスを着て、娘からの誕生日プレゼントを身につけ、輝かしい存在感を放っていた。今日つけているジュエリーセットは特に目を引き、それに比べると陶山蓮華のセットは平凡に見えた。

夫人たちの話題は陸田夫人のジュエリーに移り、陶山蓮華は一気に冷遇されることとなった。

張本夫人:「ご覧になって、陸田夫人のジュエリーが素敵すぎませんか?どこのブランドかご存知ですか?」

大野夫人:「海外のブランドのように見えますね。中国の有名ブランドは全てチェックしていますが、どこの公式サイトにもこのセットはありませんでした」

久保夫人:「そう言えば、デザインの雰囲気がSWANのlollyの作風に似ていますね」

大野夫人:「それはありえません。SWANはlollyと契約解除を発表し、その後lollyは業界から姿を消しましたから」

張本夫人:「推測ばかりしていても答えは出ませんね。陸田夫人、直接教えていただけませんか?このジュエリーセットはどこのブランドでお買い求めになったんですか?」

陸田夫人は詩子の手を握りながら微笑んで答えた。