時が経つのは早いもので、四年が過ぎた。
羽田空港で、鈴木之恵は二人の赤ちゃんの生活リズムについて心配そうにベビーシッターに指示を出していた。
「麻琴さん、弘文と弘美は寝る前に温かい牛乳を飲ませてください。弘美はいつもイチゴ柄のパジャマを着て寝るんです。彼女が寝るときに抱くイチゴのクマはスーツケースに入れてあります。弘文の恐竜も中に入れました。ホテルに着いたら忘れずに取り出してください。京都府は乾燥しているので、水分を多めに取らせてください。」
染川麻琴は鈴木家が雇った専門のベビーシッターで、二人の子供が生まれてから今まで面倒を見てきた。この四年間、心を込めて世話をし、子供たちも彼女に懐いていた。しかし、今回は遠出で、しかも京都府まで行くということで、鈴木之恵は百パーセント安心できなかった。