次々と従業員が到着し、自社の社長が打刻機を睨みつけ、不機嫌な表情をしているのを見て、誰も近寄る勇気がなく、数分のうちに入り口には多くの人が集まっていた。
藤田深志は腰に手を当て、不機嫌に言った。
「この打刻システムは誰が担当しているんだ?」
柏木正は人事部のために冷や汗をかき、
「藤田社長、打刻システムは常に総務部が担当しています。これはバグが出たようですので、修理を依頼します。」
藤田深志はようやく中に入る一歩を踏み出した。彼が通り過ぎると、後ろから打刻機の機械音が聞こえた。
「ピッ、打刻成功。」
「ピッ、打刻成功。」
……
柏木正は足音を立てないように歩いた。全員の打刻は成功したのに、社長のところだけあんな罵倒するような音が出たのだ。
柏木正はエレベーターで人事部のフロアのボタンを押し、先に降りた。この件を自ら確認する必要があった。