第290章 100年の協力

二人は車から出て、ゴルフ場に着いたのは、ちょうど10時だった。

宝威株式会社の島崎勝人はすでにロビーで待っており、小川淳を見るとすぐに迎えに来た。

「小川社長、やっとお会いできました。ずっと一緒にプレーしたいと思っていました。」

鈴木之恵は少し驚いた。この二人が知り合いだったとは。島崎勝人のへりくだった態度を見て、小川淳が時間通りに来た意図が分かった気がした。

元々地位の差からして、早く来ることは許されないのだ。

ビジネス界では、彼はすでに名を馳せており、彼女のためにこんな簡単なことをするのは朝飯前だった。

小川淳はいつもの軽薄な態度を改め、正式に島崎勝人に紹介した。

「島崎社長、こちらは鈴木之恵さんです。秋山実業の筆頭株主です。」

この言葉に島崎勝人は大きく驚いた。彼はずっと秋山泰成と取引をしており、商談や契約は全て秋山泰成が助手を連れて直接行っていたのに、まさかこんな若い女性が秋山実業の筆頭株主だったとは。