第306章 恋の花を招く

女性の鋭い第六感で、鈴木之恵は清水優紀からの敵意を感じ取った。

鈴木之恵は心の中で考えた。もしかして彼女は陸田直木に好意を持っていて、自分が今日陸田直木のパートナーを務めたことで嫉妬心が生まれたのだろうか?

陸田直木は品行方正で、容姿も中の上、さらに国内三大メディア企業の一つのオーナーだ。業界の令嬢たちから最高の結婚相手の一人として崇拝されており、所属女優に好かれるのも当然のことだった。

鈴木之恵は唇を少し曲げて言った。

「いい男性は確かに人類の限られた資源ですね。清水さん、ぜひ成功を祈っています」

清水優紀は唇を噛んで意味深な笑みを浮かべ、

「鈴木さんの言葉を借りて、今夜中に彼を落としてみせます!」

傍らの陸田直木は冗談めかして言った。

「ここで大口を叩くのはやめろよ。お前のパートナーはどこだ?出てこいよ。そもそも承諾してないんじゃないのか?」