藤田深志はようやく少し落ち着いてきて、少なくとも胃腸の具合は良くなってきた。彼女を驚かせることは分かっていたので、これを見せてしまったことを後悔していた。
それは薬であり、また彼のここ数年の惨めな状態でもあった。
彼は彼女を取り戻したかったが、これらの薬瓶で同情を買いたくはなかった。
彼が求めているのは純粋な愛情で、同情や憐れみなど、愛情以外のものは一切混ぜたくなかった。
藤田深志は薬の山から一つの瓶を取り出し、淡々とした表情で言った。
「これ一つだけ飲めばいい。他は全部要らないから、捨ててくれ。もう飲んでないんだ。」
鈴木之恵は指を握りしめ、落ち着こうと努めた。
「じゃあ、この数年ずっとこれらの薬を飲んでいたの?」
彼女は薬瓶を手に取り、製造日を確認した。全て今年製造のもので、少なくとも今年は、彼はまだこれらの薬を服用していたことになる。