第388章 藤田のやつめを見た

鈴木之恵はスープで喉を詰まらせ、咳き込んだ。

「い、いないよ。」

そう言って、また黙々と食事を続けた。

おばあさんは首を振りながらため息をつき、

「私も年だから、あなたたちの面倒を見る元気もないわ。妹は一人で子育てをしているのよ。大変なのだから、仕事でも生活でも助けてあげなさい。たとえ私がいなくなっても、妹を大切にするのよ。わかった?」

鈴木由典は片手をテーブルに置き、表情を引き締めた。

「何かあったんですか?」

おばあさんがここまで言うからには、何か考えずにはいられなかった。やっと見つけた妹は家族の宝物だ。守らないわけがない。

「藤田のやつめがまた何かしたのか?」

鈴木之恵は困り果てて、誤解がどんどん大きくなっていくのを感じ、急いで話題を変えた。

「お兄ちゃん、違うの。おばあちゃんが私にお見合いを勧めようとしているの。」