第377章 お爺様が曾孫を抱く

お爺様は朗らかに笑って、

「お爺ちゃんはもうこんな年だから、これ以上背が伸びたら妖怪になってしまうよ」

鈴木弘文はお爺様の膝の上に座り、その腕を触りながら、

「お爺ちゃん、痩せすぎだよ。もっとご飯を食べなきゃ」

お爺様は鈴木弘文の言葉を聞いて、さらに嬉しそうに笑い、二人の小さな宝物を両手で抱きしめながら、

「まあまあ、二人とも賢いね。ちゃんとご飯を食べて背を伸ばして、お肉をつけなきゃいけないってわかってるんだね。お爺ちゃんは妖怪になりたくないけど、もうこんな年だから背は伸びないよ。二人が大きくなるのを待つしかないな」

今村執事は弁当箱をさらに前に押し出したが、お爺様が応じないので、二人の宝物に目標を定めた、

「坊ちゃま、お嬢様、お爺様と一緒にお食事をしませんか?」

鈴木弘美は小さな口を開けて、

「もちろんいいよ、私はお爺ちゃんが大好きだもん」

今村執事はそれを機に弁当箱を開け、中の栄養食を一皿ずつテーブルに並べ、箸も取り出した。

鈴木弘文は賢い子で、お爺様の膝から飛び降り、箸を取って卵を一切れ摘んでお爺様の口元に持っていった、

「お爺ちゃん、卵をたくさん食べてタンパク質を補給しなきゃね~」

お爺様は、この年になって初めて4歳の子供に食べさせてもらい、笑みが止まらなかった、

「そうだね、お爺ちゃんが食べるよ。卵をたくさん食べて栄養を補給しなきゃ!」

……

さっきまで食欲がないと言っていたお爺様は、二人の小さな子供にあやされて、たくさん食べた。

今村執事はテーブルの残り物を片付けながら、安堵の笑みを浮かべていた。お爺様がこんなに美味しそうに食事をされたのは久しぶりで、最近は日に日に痩せていかれていた。やはり二人の小さな子供の前では違うようだ。

「旦那様、では老邸に戻って、ご用意されたお年玉を取ってまいります」

お爺様は頷いて、

「早く行って早く戻ってきなさい!」

藤田深志と鈴木之恵は入ってきてからずっと立っていたが、お爺様の注意は完全に二人の子供に向いていて、会話に割り込む機会が全くなかった。藤田深志は後ろに一歩下がって鈴木之恵と並んで立ち、こっそりと指で彼女の手を引っ張り、手のひらを時々揉んだりした。

鈴木之恵は肘で彼を突いて、目上の人の前では大人しくするように促した。