第392章 イチゴ味それともバニラ味?

藤田深志が話し終えると、二人はまた暫く沈黙が続いた。

鈴木之恵は、この慎重な説明に対して、内心では満足していた。彼の態度のおかげで、彼女の気分はかなり良くなった。

「藤田社長の目には、私がそんなに小心者に見えるんですか?」

藤田深志は大きく息を吐いて、

「之恵、怒ってないの?」

「バカね、こういうこと、隠そうとする方が後ろめたいでしょう。正直に認めるなら、私が怒る理由なんてないわ」

藤田深志は額の汗を拭って、

「お前に会いたいよ」

突然の素直な甘え方に鈴木之恵は一瞬戸惑って、

「何を言ってるの、あなたはまだ試用期間の彼氏で、審査も通ってないわ。藤田社長はもっと頑張る必要があるわね」

藤田深志は不満げに、

「頑張るよ。三日後に東京都に飛ぶけど、何か持って来て欲しいものがあったら早めに教えて」