第398章 胸の赤い痣

鈴木之恵は心臓が急に縮むのを感じ、視線を上げると、次の瞬間、叔父の穏やかで無害そうな顔が目に入った。

彼は長い脚でベッドの側まで歩み寄り、眼鏡の奥の眼差しからは何の感情も読み取れなかった。

鈴木之恵は自分の心臓の鼓動を聞いた。彼女を連れ去った人物が叔父だったなんて!

誰が想像できただろうか、あんな顔をした人がこんな狂気じみた行為をするなんて。

鈴木之恵は突然起き上がり、後ろに体を引き、ベッドの頭に背中をつけた。

「叔父さん、何を...するつもり?」

彼女の表情は極度の恐怖を示し、藤田晋司が次の瞬間、自分に何をするか想像するのも怖かった。彼の以前の不可解な行動を思い出すと、この人物の考えていることが全く読めなかった。

藤田晋司は鼻梁の眼鏡を直し、相変わらず穏やかな声で言った。