第445章 看護師は1人しか抱いてこなかった

田中晃が熱心に誘いました。

「うちのおばあちゃんは、私が何もまともなことをしていない、家業を放ったらかしにして外をぶらぶらしているって言うんです。私がただ遊んでいるんじゃなくて、ちゃんと仕事をしているって証明してくれませんか!」

田中晃は言い終わると、藤田深志に尋ねました。

「兄さん、来てくれますよね?おばあちゃんも最近あなたのことを聞いていたんですよ。」

藤田深志は顔を向けて鈴木之恵に尋ねました。

「私は行かなければならないんだけど、一緒に来る?」

「じゃあ、一緒に行きましょう。」

田中晃は喜んで、呼び方を変えました。

「じゃあ兄さん、姉さん、明日お待ちしています。着いたら電話してください、門まで迎えに行きます。」

藤田深志は口角を引きつらせました。

「変な呼び方はやめろ。誰が姉さんだ?」

お嫁さんと呼ぶならまだましだ。

田中晃は藤田深志に叱られて口を閉ざし、後半は座席で寝てしまいました。幸い、それ以上話すことはありませんでした。

鈴木之恵と藤田深志は飛行機を降りると、郊外の刑務所へ直行しました。

藤田深志は前もって知り合いに連絡を入れており、対応に来たのは例の矢沢警部でした。

「藤田社長、鈴木さん、今は受刑者たちの作業時間です。十数分後に休憩時間になりますので、こちらでお待ちください。」

矢沢警部が水を二杯持ってきて、鈴木之恵は自然に尋ねました。

「彼の中での様子はどうですか?」

矢沢警部は正直に答えました。

「秋山泰成という人物は少し小賢しくて、ずる賢いところがあります。しかし、すぐに同室者と折り合いが悪くなりました。皆が彼を軽蔑し、怠け者だと思っています。些細なことで他人を出し抜こうとするので、今は同室者から孤立している状態です。」

鈴木之恵は水を一口飲んで、

「彼はそういう人です。小さな利益にこだわり、他人を弄ぶのが好きで、最後は自分の仕掛けた罠に自分で落ちました。どんな時でも、道徳や良心に背いて悪事を働いてはいけないということです。報いは必ず来るものです。」

話している間に、十数分が経過しました。

鈴木之恵と藤田深志は矢沢警部について面会室へ向かいました。