東屋での会話が次第に止み、藤田深志がそちらを振り向いて一瞥し、歩み寄った。田中晃が後に続いた。
鈴木由典の秘書は二人を知っていて、丁寧に挨拶した。
「藤田社長、田中社長」
山田結城は藤田深志を見て怖くて顔を上げられなかった。鈴木由典の仕事ぶりが厳しいと言えば、目の前のこの人も負けていない。そうでなければ南北の閻魔王と呼ばれるはずがない。
彼女は今日一度に二人を怒らせてしまった。追い詰められていなければ、百の度胸があっても決してしなかったことだ。
「藤...藤田社長」
山田結城は俯いたまま声を出した。
「投稿は君がしたのか?」
山田結城は声を出す勇気もなかった。
「私の底線を越えた人や事に対して、私は情けをかける気がないことを知っているだろう。鈴木之恵は君に何も悪いことをしていない。彼女の兄は君を気の毒に思って金を貸してくれたのに、どうしてそんな人を陥れるようなことができたんだ?」