第502章 確かに姉妹

東京都では、お婆さんはすでにニュースを聞いていた。

彼女は一晩中心配で眠れず、天気予報を見続けていた。明日は晴れることを願い、之恵が心臓を返してくれれば、娘がついに完全な体を取り戻せると思っていた。

彼女は専門家に頼んで棺を開ける時間を計算し、準備を整え、あとは鈴木之恵の飛行機が戻ってくるのを待つだけだった。

鈴木由典のプライベートジェットは、墓地から遠くない郊外に直接着陸した。

藤田深志は移動式冷蔵庫を抱え、鈴木之恵が横について墓地へ向かった。数分歩くと、前方でお婆さんが力強い足取りで彼らに向かって来るのが見えた。一歩一歩ゆっくりと、遠くからでもお婆さんの切迫した様子が伝わってきた。

「お婆ちゃん」

鈴木之恵は遠くから呼びかけ、二人は足早に近づいていった。

お婆さんはすでに涙人になっており、移動式冷蔵庫を抱きしめて息も絶え絶えに泣いていた。