老人は少し食べ物を口にして寄りかかり、二人の赤ちゃんを見て気分が良くなった。
その時、鈴木之恵の携帯電話が鳴り、画面を見ると陶山蓮華からの着信だった。彼女は即座に切ったが、一分も経たないうちにまた鳴り出した。
病室でそれは場違いだった。
鈴木之恵は携帯を持って外に出て、通話ボタンを押した。
「陶山叔母さん、もう電話しないでください。私はあなたの息子に執着してもいないし、あなたの家の財産を奪おうともしていません。今は電話に出られないので、ブロックします。もう電話しないでください。」
鈴木之恵が切ろうとした時、陶山蓮華の声が電話から聞こえてきた。
「切らないで、切らないで、之恵、お母さんの話を聞いて。」
鈴木之恵は聞き間違えたと思った。この元義母は朝の電話で彼女を散々罵り、藤田深志に枕元で悪い影響を与え、実の叔父や母親の面倒も見ない、親族を顧みない人間にしたと言っていたのだ。