バリーのこの反応で鈴木之恵の心臓は再び喉元まで上がってきた。
「姉さん、嘘をつかないで。あなたから真実を聞きたいの。良いことも悪いことも、あなたたちがそこで何が起きたのか全部聞かせて。」
バリーは少し黙った後、口を開いた。
「彼はまず医者のふりをして診察室で私に脱出計画を話してくれて、護身用の銃まで渡してくれたの。でも私は使い方が分からなくて、結局彼に返したわ。誰かが助けに来てくれると分かって安心したの。彼らが私を救出する時は、かなり混乱した状況で...」
バリーはここまで話して、一旦止まり、鈴木之恵を見てから続けた。
「彼らが私を救出する時、アレックスが捕まって、私を監視していた傭兵たちと一団が戦い始めたの。お兄さんが混乱に乗じて私を部屋から連れ出してくれたわ。」